ハロゲン化鉱物

蛍石

販売価格
32,000円(税込み)
在庫
1
商品コード
smj25154

商品詳細

18mm×15mm×19mmの大きな主結晶の他に、合計8個の結晶からなる蛍石です。最大の見どころは、主結晶内部に見える濃紫色と淡紫色の明瞭な四角形のゾーニングです。まるで結晶内部に小さな結晶を包み込んでいるように見える特徴的な構造で、蛍石が成長した過程を知る事が出来ます。黄色から紫に変化している結晶も見えます。

蛍石(CaF₂)のゾーニングは、結晶が成長する際に、温度・圧力・熱水の化学組成が変化することで生じます。熱水に含まれる微量元素や不純物の濃度が変化すると、結晶に取り込まれる成分も変わり、色の異なる成長層が形成されます。本標本の濃紫色と淡紫色の四角い色帯も、地下で繰り返された熱水環境の変化を結晶内部に記録したものと考えられます。

産地は、アメリカ・イリノイ州南部のHicks Dome(ヒックスドーム)で、直径約16km、中心部の地層が周囲より約1,200mも押し上げられた巨大なドーム状地質構造です。

その地質史は、約3億8,000万~3億年前のデボン紀~石炭紀までさかのぼります。デボン紀のイリノイ州南部は海浅いで、サンゴや貝殻などの石灰質生物の遺骸が海底に堆積し、厚い石灰岩層を形成しました。その後、砂や泥も大量に堆積し、砂岩や頁岩などの地層が石灰岩の上に幾重にも重なっていきました。こうして、石灰岩を含む厚い堆積岩の地層が形成され、後のHicks Domeの地質構造をつくる基盤となりました。

約2億7,000万年前のペルム紀になると、地下深部からアルカリ性マグマが上昇しました。Hicks Domeでは、アルカリ超塩基性(ウルトラマフィック)マグマとカーボナタイト(炭酸塩)質マグマからなる複合的なマグマ活動が起こり、二酸化炭素(CO₂)、水、フッ素などの揮発性成分に富む流体が発生しました。これらのマグマや流体が上昇すると、圧力低下によって揮発性成分が膨張し、周囲の岩石を激しく破砕するとともに、上部の堆積岩を大きく押し上げました。これが、現在のHicks Domeを形成した主要な地質活動です。

この活動によって地下の岩石は激しく破砕され、石灰岩や砂岩などの岩片を含む角礫岩が形成されました。角礫岩は地下深部から上昇する流体の通路となり、その後、マグマの熱源によって加熱された地下水やマグマに由来する流体が、この破砕帯を繰り返し循環しました。フッ素(F)、希土類元素(REE)、トリウム(Th)、ニオブ(Nb)、バリウム(Ba)などを含む熱水は、角礫岩の隙間や断層を通って上昇し、周囲の石灰岩とも反応しました。

熱水がRenault Limestone(ルノー石灰岩)や、その下位のSte. Genevieve Limestone(セント・ジーンヴィーヴ石灰岩)など、カルシウムに富む石灰岩層へ達すると、フッ素とカルシウムが結びついて蛍石(CaF₂)が沈殿・結晶化しました。同時に重晶石(BaSO₄)をはじめとする多様な鉱物も形成され、Hicks Dome周辺に複雑な鉱床がつくられました。また、上部の比較的緻密な砂岩層が流体の上方への移動を妨げたことで、熱水は地層に沿って横方向に広がり、広範囲に様々な鉱物の鉱化作用を及ぼしました。

和名:蛍石
英語名:Fluorite
産地:Crystal Mine, Cave-In-Rock Mining Sub-District, Hardin County, Illinois, USA.
サイズ:42.2mm×52.8mm×24.9mm 100g

化学組成:CaF2
結晶系:等軸晶系
色:無色、白、緑、青、紫など
光沢:ガラス光沢
硬度:4
条痕:白
劈開:完全
比重:3~3.2

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