ハロゲン化鉱物

蛍石と重晶石

販売価格
4,300円(税込み)
在庫
1
商品コード
smj25122

商品詳細

淡い褐色を帯びた蛍石の群晶に、白色の結晶質重晶石が共生しており、産地の地質情報を表している標本です。

Berbesは、スペイン北部を代表するアストゥリアス蛍石鉱床地域の主要産地の一つです。この地域の鉱床は、古生代やペルム紀~三畳紀の地層に発達し、蛍石を主体として、重晶石、方解石、ドロマイト(苦灰石)、石英、硫化鉱物などを伴います。特にCaravia–Berbes地域では、後期石炭紀の**Caliza de Montaña(山岳石灰岩)**などの炭酸塩岩中に、蛍石の脈状・交代性鉱化の鉱床が発達しています。また、ペルム紀の礫岩・角礫岩を蛍石鉱脈が充填した層状の鉱体も知られています。石灰岩や苦灰岩は鉱床形成そのものに深く関与した岩石です。

この鉱床が形成された背景には、約2億年前、パンゲア超大陸が分裂し始めた時期の地殻伸張と断層活動があります。Caravia–Berbes鉱床の主要な鉱化作用については、約**206±8 Ma(約2億600万年前)**という年代が報告されており、初期大西洋の形成に伴う地殻変動と時期的に一致します。地殻に発達した断層や割れ目は地下流体の通路となり、地下を循環した塩水性の熱水が岩石中を移動しました。研究では、鉱化流体には海水と、地下深部で岩石と反応して化学組成が変化した地下水が関与し、それらの混合が鉱物の沈殿を促したと考えられています。

こうした熱水が石灰岩や苦灰岩などの炭酸塩岩と反応することが、蛍石形成の重要な過程となりました。石灰岩の主成分である方解石(CaCO₃)が熱水によって溶解・交代されることでカルシウムが流体へ供給され、熱水に含まれるフッ素と結びつき、 Ca²⁺ + 2F⁻ → CaF₂ という反応によって蛍石(CaF₂)が沈殿しました。また、炭酸塩岩の一部ではドロマイト化が進行して**苦灰岩〔CaMg(CO₃)₂〕**が形成され、熱水による溶解・交代作用によって、さらに蛍石が成長するための反応場や空隙が生み出されました。Berbes–Caravia地域では、実際に蛍石を伴う苦灰質変質帯も確認されています。 一方、同じ熱水性鉱化作用の中でバリウムと硫酸成分が出会うと、 Ba²⁺ + SO₄²⁻ → BaSO₄ という反応によって**重晶石(BaSO₄)**が形成されます。蛍石と重晶石は化学組成の異なる鉱物ですが、Berbesの鉱床では両者が共生することが知られ、さらに方解石、ドロマイト、石英、硫化鉱物などを伴います。これは、地下を移動する熱水の温度、圧力、pH、塩濃度、酸化還元状態などが変化し、その時々の条件に応じて異なる鉱物が共生します。

和名:蛍石と重晶石
英語名:Fluorite & Barite
産地:Berbes mine, Berbes, Ribadesella, Asturias, Spain.
サイズ:51.8mm×63.7mm×45.2mm 118g

蛍石
化学組成:CaF2
結晶系:等軸晶系
色:無色、白、緑、青、紫など
光沢:ガラス光沢
硬度:4
条痕:白
劈開:完全
比重:3~3.2

重晶石
化学組成:BaSO4
結晶系:斜方晶系(板状、葉片状、柱状結晶)
色:無色、白、薄い黄色、薄い青、薄い紅色
光沢:ガラス光沢、真珠光沢
硬度:2½~3½
条痕:白
劈開:完全(底面、柱面)
比重:4.3~4.6

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