ハロゲン化鉱物

蛍石(蛍光)

販売価格
23,800円(税込み)
在庫
1
商品コード
smj09047

商品詳細

イングランド北部ダラム州、ウェアデール地域に位置する世界的に有名なロジャリー鉱山(Rogerley Mine)産の蛍石です。約24mm×21mm×11mmの立方体単結晶で、透明度が高く、通常光では透明感のあるグリーンを呈します。特に光を背後から透過させると、結晶内部に濃縮された深い緑色が浮かび上がり、透明な外縁部とのコントラストが美しく観察できます。
結晶の背面には銀灰色の**方鉛鉱(Galena:PbS)**が共生しています。蛍石の鮮やかなグリーンと、金属光沢を持つ方鉛鉱との組み合わせは、ロジャリー産標本を代表する魅力のひとつです。

ロジャリー鉱山は、世界的な鉱床地域である**北ペナイン鉱床帯(Northern Pennine Orefield)に位置します。この地域には石炭紀に形成された石灰岩・砂岩・頁岩などの地層が分布し、ロジャリーでは特にGreat Limestone(グレート・ライムストーン)**と呼ばれる石灰岩層が重要な母岩となっています。

地下深部には**Weardale Granite(ウェアデール花崗岩)**が存在し、そのマグマ活動に伴う熱が地下の熱水循環を促進したと考えられています。熱水は地下深部から断層や割れ目を通って上昇し、石灰岩層へと浸透しました。北ペナイン地域では、このような断層・裂罅が鉱物を運ぶ重要な通路となり、石灰岩中では熱水による溶解・交代作用によって鉱化のための空間が形成されました。ロジャリーでは、断層に沿った垂直方向の鉱脈だけでなく、石灰岩の層理に沿って横方向へ広がる**「flats(フラッツ)」と呼ばれる鉱化帯**も発達しています。熱水が石灰岩と反応しながら浸透することで岩石の一部が溶解・再結晶化し、破砕帯や空隙が形成されました。そこへ鉱物成分を含む熱水が入り込み、温度・圧力・流体組成などの変化によって鉱物が次々と析出していきました。

蛍石は、この熱水作用によって形成された代表的な鉱物です。熱水に含まれていたフッ素(F)と、石灰岩から供給されたカルシウム(Ca)が反応し、 Ca²⁺ + 2F⁻ → CaF₂ という反応によってフッ化カルシウムである蛍石が形成されました。 特に十分な空間が確保された空洞や破砕帯では、結晶が周囲の岩石に妨げられることなく成長し、立方体の美しい自形結晶となりました。本標本の24mmに達する明瞭な立方体結晶も、このような熱水性鉱床形成の過程を物語るものです。 一方、同じ熱水性鉱化作用によって鉛や硫黄も運ばれ、条件が整った場所では、 Pb²⁺ + S²⁻ → PbS の反応によって方鉛鉱が形成されました。したがって本標本の方鉛鉱は単なる付着物ではなく、蛍石と同じ鉱化作用によって形成された共生鉱物と見ることができます。蛍石と方鉛鉱を同時に観察できることは、ロジャリーの鉱床環境を理解するうえでも興味深い特徴です。

そして、本標本をさらに魅力的なものとしているのが蛍光性です。通常光では深いグリーンを呈する結晶が、長波紫外線(ブラックライト)を照射すると鮮やかな青色に変化します。これは蛍石の結晶格子中に微量に取り込まれた元素や結晶欠陥などが発光中心として働き、紫外線によって励起された電子が元の状態へ戻る際に可視光を放出することで生じる現象です。 さらに本標本では、蛍光性が非常に強いため、**曇り空の太陽光の下でも青色を帯びて見える「デイライト・フローレッセンス(Daylight Fluorescence)」**を確認できます。太陽光に含まれる紫外線によって蛍光が励起されるためで、ロジャリー産蛍石を象徴する非常に魅力的な性質のひとつです。

和名:蛍石
英語名:Fluorite
産地:Rogerley Mine, Weardale County, Durham, Englan
サイズ:29mm×21mm×23mm 29g

化学組成:CaF2
結晶系:等軸晶系
色:無色、白、緑、青、紫など
光沢:ガラス光沢
硬度:4
条痕:白
劈開:完全
比重:3~3.2

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