コバルトの銀とスノーボールアース

銀鉱石
コバルトの銀鉱石

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26億年前の海底火山活動によって銀鉱脈が生まれ、24億年前のスノーボールアース時代の氷河が溶けて
氷に含まれていた石が礫岩層になりました。そんな太古代につくられたコバルト地域をご紹介します。

コバルトの銀とスノーボールアース

カナダ オンタリオ州のコバルトは、トロントから北へ500km、約5時間の町です。
2016年の人口は1,118人の小さな町ですが、1900年代には世界第4位の銀を産出し、最盛期には100以上の鉱山と
12,000人を越える人たちが住んでいた町でした。

コバルトとAbitibi green stone belt
コバルトとAbitibi green stone belt

銀の町コバルト

銀の発見

銀が最初に発見されたのはコバルトの町の中心から823m南西の山中でした。
“The Mckinly-Darragh Story”として有名なエピソードになっています。

『ジェームス・マッキンレーとアーネスト・ダラッフはティミスカミング・北部オンタリオ鉄道に勤務し、
枕木用の木を探しに森林を歩いていました。
1903年の8月7日、その日も松の多い林の中を歩いていましたが、
コバルト湖の南岸から北東に200mの場所にさしかかった時、光り輝く岩を発見しました。

その岩は1トン当たり113kgの銀を含む(含有量2kg/tonで優良鉱とされる)銀の鉱脈だったのです。
彼らは2人で鉱山を始めました。

二人が始めた”Mckinly-Darragh Mine” は5本の立坑と合計24kmの坑道を持つ大きな鉱山になり、
1904年から1927年まで稼行されましたが、最初の16年間で2千万オンス(567トン)の銀を産出し、
そして1907年、コバルトの集落に精錬所が建設されると、彼らの銀鉱石はコバルトの銀として広まって行くようになったのです。』

Mckinly-Darragh Mineの看板
Mckinly-Darragh Mineの案内板
Mckinly-Darragh Mine
Mckinly-Darragh Mine

銀発見の話がカナダ中に広まり、コバルトには多くの鉱山探鉱者がやって来て地表で銀鉱脈が次々と発見されました。
また、ティミスカミング・北部オンタリオ鉄道の建設工事現場でも豊富な銀鉱脈が見つかり、
1903年から1920年代にかけて多くの鉱山の開発が続きました。

コバルトの地質

北米大陸には、Canadian shield (カナダ楯状地)と呼ばれる、幾つかの古大陸が合体して出来た安定陸塊があります。
カナダ楯状地の大部分は寄木細工のように合体した古大陸の花崗岩や片麻岩で構成されていますが、
合体する大陸間の海底で起きた海底火山活動の結果、火山や熱水の噴出物が帯状に形成されています。

こういった帯状の噴出物は、Chlorite(緑泥石), Actinolite(アクチノ閃石),
Amphiboles(角閃石族)などの緑色の変成鉱物を含むことから、
グリーンストーンベルト Greenstone belt と呼ばれ、金・銀・銅など各種金属鉱床を胚胎しています。

コバルト地域はオンタリオ州とケベック州の州境に近い場所にあり、
両州にまたがる Abitibi greenstone belt の東に位置しています。
ヒューロニアン堆積岩、火山岩(海底火山噴出物)、ニピシングダイアベース(貫入岩)が分布し、
ヒューロニアン堆積岩とニピシングダイアベースの接触部や火山岩中に多くの銀鉱脈が出来ています。

ニピシング・ダイアベースはカナダ楯状地が拡張をした時代(22億年前)に広範囲に貫入して岩脈を作りました。
ヒューロニアン堆積岩や火山岩にニピシング・ダイアベースが平行に貫入すると共に、
熱水が岩体境界に進入し多くの場所で銀鉱脈が生まれました。

コバルトの銀鉱脈と地質
コバルトの銀鉱脈と地質

ヒューロニアン堆積岩 Huronian sedimentary rocks:
カナダ楯状地 (28億~24.5億年前)に付帯する Huronian super group の一部。

Abitibi greenstone belt :
26億7700万年前に海底に噴出した玄武岩などの堆積物。

ニピシング・ダイアベース(Nipissing diabase):
22億年前にマグマが地層間を平行貫入してできた平板状の輝緑岩で、
ニピシング・ダイアベース・シルとも呼ばれます。

コバルトの枕状溶岩 Pillow Lava

Cart Lake のPillow Lava
Pillow Lava が取り込んだ氷河の礫 この表面もその後の氷河で削られて出来た
Cart Lake のPillow Lavaの表面
Cart Lake のPillow Lavaの表面

コバルトの町から南へ進みコールマンロードへ左折し3.2km行くと、
Cart Lakeに着きます。
この付近は枕状溶岩が地表に露出しており、
25,000~10,000年前の氷河が表面が削った滑らかな表面に、
枕状溶岩と数多くの綺麗な礫を見る事ができます。

枕状溶岩は粘度の低い玄武岩溶岩が海水や淡水に接した時、
表面が急激に冷やされながらも、さらに供給される高温の溶岩が球形や円筒形に膨らみ、
ぎゅっと握った柔らかい餅が手から飛び出るようにできました。
その形が枕状になる事から名前が付きました。

22億年前の氷河に含まれていた礫は、氷河が溶けて海底の枕状溶岩の堆積物に落下しました。
この礫は後で述べる Gowganda Formation にも含まれています。

コバルトの鉱山博物館と鉱山跡

テマガミからハイウエイ11を40km北上して右折、ハイウエイ11Bを8km進むとコバルトです。
コバルトの町に入り Silver St(銀ストリート)へ直進するとすぐの場所にコバルト鉱山博物館があります。

街の道路はさすがに鉱山の町で Nickle St(ニッケル),Silver St(銀),
Argentite St(輝銀鉱)と鉱石の名前が付いた通りがありました。

シルバーストリートと探査通りの交差点
Silver street 銀の道 & Prospect avenue 探査通り
3階建ての立派な建物
3階建ての立派な建物
Silver street 銀の道
コバルトで一番大きな通り Silver street 銀の道 車が無いので道路の真ん中で写真を写すことが出来ます。
クラッシックシアター付近
クラッシックシアター付近
コバルト カナダの鉱山の発祥地
コバルト カナダの鉱山の発祥地 1903-2003
Willet Green Millar Memorial Site #14
Willet Green Millar Memorial Site #14付近
小さな理髪店
小さな理髪店
1926年からやっている劇場
1926年からやっているクラッシックシアター

町に入るとすぐに見えるのが、鉱山博物館の向かい側にある白い立坑です。
この場所は THE WILLET GREEN MILLER MEMORIAL SITE です。

Willet Green Millar Memorial Site #14
Willet Green Millar Memorial Site #14

オンタリオ州政府の初代地質学者に任命された WILLET GREEN MILLER 1867-1925 がこの地をコバルトと名付けました。

Willet Green Millar
オンタリオ州政府の初代地質学者 Willet Green Millar 

ここには、彼のモニュメントや鉱夫のレリーフ、削岩機、銀鉱石を運ぶトロッコ、バッテリー式機関車が置いてあり、
鉱山で栄えた当時の鉱山を再現しています。

鉱夫のレリーフ
鉱夫のレリーフ
削岩機
削岩機
銀鉱石を運ぶトロッコ
銀鉱石を運ぶトロッコ
バッテリー式機関車
バッテリー式機関車

コバルト 鉱山博物館

向かい側には小さくて手作り感あふれる、小さなコバルト鉱山博物館があります。

コバルト鉱山博物館
コバルト鉱山博物館

ドアを開け、中に入ると右側に大きな銀鉱脈! 持ち上げたりしないで下さいと注意書き。
本物です!

銀鉱脈
銀鉱脈

展示ケースには、ヒゲ銀、葉脈状の自然銀、ビスマス、コバルト華など、
コバルト産鉱物が豊富に展示されていて嬉しくなりました。

髭銀
Wire Silver 髭銀
銀鉱石
含有量の高い銀鉱石 こんなのが欲しいです。
銀鉱石
銀鉱石
ビスマス
ビスマス
ビスマス
ビスマス

コバルト華はピンク色で、コバルト・ブルーム(Cobalt Bloom)と呼ばれ、銀鉱脈と共存する鉱物です。
地表で銀を発見するには、このピンク色を探したと言われています。

Cobalt Bloom
Cobalt Bloom コバルト華
Cobalt Bloom
Cobalt Bloom コバルト華

鉱物以外には鉱山の写真、鉱夫の仕事風景、銀鉱脈の写真、野営生活を再現した部屋があります。

鉱脈を探す人たちの野営生活
鉱脈を探す人たちの野営生活

最後は、『 Ontario’s most historic town COBALT 』 と言うDVDを観て、
銀に湧き人の熱気溢れる最盛期のコバルトの町を体験しました。

博物館では「Silver Trail Tours」と言う鉱山ツアーがありました。
ピーターソン・レイク周辺の鉱山跡地を車で案内してくれたり、坑道の中を見る事が出来るのです。
気さくなガイドさんが、『自宅の大きな窓からは、まるで私の庭のようにコバルトの自然が見えるんですよ』、なんて話してくれて、
一気に雰囲気が和み、鉱山の歴史やエピソードをユーモアを交えて説明してくれました。

気さくに色んな話が出来るガイドさんで、とても楽しいツアーになりました。
特にコロニアル・マイン(Colonial Mine)に連れて行ってくれた時は、
冷たい坑道の中をガイドさんと楽しい話をしながら歩きましたが、一方ではスリリングなひと時でした。

Colonial Mine
Colonial Mine の坑内

鉱物採集

鉱山ツアーが終わってガイドさんにお礼を言って、銀鉱石を採集できる場所へ行きました。
ガイドさんから、『ズリで丹念に探せば銀鉱石を採集できる』と聞いていたので、
到着すると早速この日の為に購入した金属探知機の出番です。
金属探知機で地表をなでるようにして歩きました。
いきなりピーピーと反応!
「銀だ!」、
・・・と喜んでは、錆びた機械部品を掘り当てて落胆。
しばし、そんな事を何度も繰り返しました。

銀鉱石を探した場所
銀鉱石を探した場所

しばらく金属探知機で探していましたが、薄黒い板状の石があるのを発見しました。
小さいながら手に持つと、ズシリと重い石です。試しに金属探知機を近づけるとピーピーと反応します。
さらに、ハンマーで割ると銀色です。「自然銀か!」
・・・という期待はしばらくの間だけ。
砒鉄鉱の一種 サフロライトだと、後でわかりました。
自然銀じゃなくて残念ですが、コバルトを含む鉱物です。

遠いカナダで短い採集時間で見つけたサフロライト・・・貴重です!
銀色に輝くサフロライトは嬉しい思い出です。

ひょっとしたらこの地域をコバルトと命名した地質学者 WILLET GREEN MILLERが、
『よく遠いカナダまで来たね、ご褒美にサフロライトをあげるよ』とプレゼントしてくれたのかも。
何故なら、大きめの石の上にあり苦労して探さずに見つけられたからです。

WILLET GREEN MILLER
WILLET GREEN MILLER

WILLET GREEN MILLER

Safflorite
Safflorite サフロライト

サフロライト(Safflorite): CoFeAs4 or CoAs2
コバルト・鉄・砒素 または、コバルト・砒素を含む砒化コバルト鉱
硬度: 4 1/2~5(自然銀は2~3) 比重:7.2(自然銀は10~11)

Abitibi Greenstone Belt

26億7700万年前、海底に存在していた27億年前の基盤岩で海底火山活動が広範囲に起こり、膨大な量の玄武岩堆積物が噴出しました。
これがオンタリオ州とケベック州に分布する、長さ 650km 、幅150kmのAbitibi Greenstone Belt です。
グリーンストーン・ベルトの名は塩基性岩中の変成を受けた緑泥石、アクチノ閃石、および角閃石の緑色に由来し、
コマチアイト komatiite と言う針状の橄欖岩の集合した鉱物を含むことがあります。
世界各地に分布したグリーンストーン・ベルトは古大陸分裂の境界に位置していた事がわかっています。

また、世界最大で最古とされる Abitibi Greenstone Belt はダイヤモンドや金属鉱床を胚胎しています。
コバルトの北にある Haileybury の町の西部には7つのキンバーライトパイプがあり、
さらに北のKirklamd Lake地区では金、銀、銅、亜鉛などの鉱床があり、
キンバーライトパイプやキンバーライトダイクでダイヤモンドが採掘されています。
北西部の Timmins 地区では金、銀、銅、亜鉛の鉱山があり、現在でも鉱脈の調査がされている場所です。
Abitibi Greenstone Beltでは、コバルトの銀が枯渇した後も多くの鉱山が開発されています。

24億~22億年前、玄武岩堆積物( Abitibi Greenstone Belt) は海洋堆積物でおおわれた。
基盤のSuperior Province (2.7g/cm2) と玄武岩堆積物(2.9~3.1g/cm2)は、密度の違いで沈み込みが発生。
垂直のテクトニクスが起こり基盤の岩石はマッシュルームのように盛り上がって地表に露出し、
玄武岩質堆積物と海洋堆積物は基盤岩の凹地の中で褶曲し厚い地域や薄い地域ができました。
その後、25,000~10,000年前の氷河の移動によって地表が削られて、
コバルト地域を含む Abitibi Greenstone Belt の豊富な鉱床は、地表近くに露出するようになりました。

全地球凍結(スノーボールアース)の痕跡

偶然見つけたハイウエイ11Bの露頭と、
鉱山ツアーで見た地層を色々と調べていたら、はるか昔の地球大異変の証拠だったことがわかりました。

コバルトのゴウガンダ層:Gowganda Formation

コバルトに向かう途中で偶然見つけたピンクや白の礫岩を含む岩肌があまりに特徴的だったので、
車を止めてしばらく観察することにしました。
これは花崗岩や片麻岩の大小の礫を含む地層でした。
氷河で岩の表面が滑らかに削られ、礫もカットされていて断面が見えています。
これらの礫は氷河が溶ける際に、海底や湖底に落ちた『ドロップストーン dropstone』と呼ばれるものです。

Gowganda Formation
Gowganda Formation conglomerate
Gowganda Formation
Gowganda Formation conglomerate
Gowganda Formation conglomerate
Gowganda Formation conglomerate
Gowganda Formation conglomerate
Gowganda Formation conglomerate

グレイワッケ graywacke

また鉱山ツアーの途中では砂岩の岩壁があり、下部には薄い層が何枚も重なった互層がありました。
この地層はグレイワッケ graywacke と呼ばれ、薄い黒色の粘土層と明るい色のシルト層が何枚も重なっています。

砂岩の崖
砂岩の崖
グレイワッケ
グレイワッケ
ドロップストーン
同地のドロップストーン(写真提供 東京大学大学院 理学系研究科)

花崗岩や片麻岩の礫を含む地層とグレイワッケの地層は、
どちらも ゴウガンダ層(Gowganda Formation) と呼ばれている地層です。
模式地は Timiskaming 地区北西部の Gowganda 。ここでも銀鉱石が産出します。
花崗岩と片麻岩の礫を含んだ地層は前期ゴウガンダのColeman層で、氷河の拡大と後退を示す4つの砂岩層を含んでいます。
礫は氷に運ばれた石で、氷がとけて泥岩の上に落ちました。
グレイワッケの地層は後期ゴウガンダのfirst brook層で、クロスラミナ(斜交葉理)と平行葉理の砂岩層があり、
氷河が後退した後に海水面や湖面が急に上昇し、陸の氷河砕屑物が堆積したと考えられています。

原生代前期(24~22億年前)ヒューロニアン氷河時代には3回の氷河時代がありました。
3回目の氷河時代には全球凍結(スノーボールアース)時代になり、その後の温暖化で分厚い氷床が徐々に融け
ゴウガンダ層が形成されました。
ゴウガンダ層は、北欧、南アフリカ、オーストラリアでも見つかり、
南アフリカの Makgany Diamictite層の礫(ドロップストーン)には古地磁気を持ち、
それが示す当時の緯度が11度であることがわかりました。
赤道付近のような低緯度地方の陸地が全球凍結により氷におおわれていた事が後の研究で裏付けられたのです。

ドロップストーンの下の地層の大きなへこみは、海面の氷山から石が海底に落ちた際に柔らかい泥がくぼんだ証拠です。
上の層が若干へこんでいるのは斜面に堆積した礫が泥と一緒に海底に流れて堆積し、圧力で上下の層が曲がったと考えられています。
ドロップストーンを含む地層の大半が氷山から落ちた石ですが、斜面からの礫も含まれているのです。

いろいろと調べた結果、コバルトのゴウガンダ層は、全球凍結が証明された地層だったのです。
HWY11Bの露頭を偶然見つけた事、鉱山ツアーで見たグレイワッケの地層はスノーボールアースと結びついていました。

地球全球凍結:スノーボールアースとは

原生代前期の24億~22億年前に少なくても3回の氷河期が訪れ、
その3回目には地球全体を覆うほどの氷に閉ざされた時代があった事がわかっています。

そのストーリーはこうです。
46億年前、誕生して間もない地球は溶岩の火の玉でしたが、ガス中の水蒸気が雨を降らせ、
表面が冷えて地殻ができ、その後は水が地球の表面を覆う海の惑星になりました。
地球の内部も冷えていくに従って高温で固体のコア(ニッケルと鉄)ができ、
その外側には高温で溶けたマントル(超塩基性の岩石:橄欖岩など)ができました。
流動性のあるマントルは対流を開始し、地殻には初期の超大陸が生まれました。

陸地は暖まりやすく冷えやすい、海洋は暖まりにくく冷えにくいと言う性質がありますが、
現在の大陸よりも、はるかに大きな超大陸が存在した時代の気候はその性質を大きく受ける事になります。
当時の太陽の明るさは現在の70%で、地表はあまり暖められる事はありませんでした。
また、地球の公転面が大きな楕円軌道で太陽から離れている時期の寒冷な季節が長く、
次第に地球の寒冷化が進んだと考えられています。

そんな環境の地球は、極地の氷がだんだん広がり、冷たい海には氷が白い島のように点在しました。
氷は低緯度地方の海にも迫り、やがては超大陸にも雪が降りました。
白い雪や氷は光を反射し、太陽光は地上に暖かさを残さないまま跳ね返るので、さらに冷却が進みます。
やがて地球は-40℃の極寒となり、海面下1000mまで氷におおわれたスノーボールアースになりました。

※惑星が地球に衝突して月ができ、初期の超大陸は惑星の衝突の痕跡であり衝突で自転軸が大きく傾き、
低緯度地方の太陽光が少なくなったとする説もあります。

スノーボールアース説について

この説は、以前から地質学者達の野外調査と研究が盛んに行われていたが結論には至っていなかった。
カリフォルニア工科大学 ジョセフ・カーシュビング博士が、
赤道付近に氷河堆積物の存在を確認し1992年に仮説として発表した。

地球全球凍結の証拠

・炭素同位体の調査で光合成活動が停止していた時期がわかった。
光合成生物は、炭素12を取り込むため炭素13が多くなるが、光合成生物がいない場合は炭素12が多くなる。
・氷河堆積物の上下にはキャップカーボネイトと呼ばれる炭酸塩岩の層があり、
スノーボールアースの前後には、急激な温暖化による大酸化時代があったとされている。
全球凍結時代に、海底でメタンが発生し冷やされた結果、大量のメタンハイドレートが蓄積されたが、
スノーボールアースの後には放出されて急激な温暖化になり大酸化時代が訪れた。

・ドロップ・ストーンを含むダイアミクタイト(ゴウガンダ層)と呼ばれる氷河堆積物の地層が、
カナダ、アフリカ、南米、オーストラリアなどの大陸で見つかっている。
ドロップ・ストーンのような礫は古地磁気を帯びていて低緯度地方(赤道付近)で形成された事がわかっている。

後記

調べたことを裏付けるために、東京大学大学院 理学系研究科で地球惑星システム進化学の研究をされている、
田近英一教授に、私が撮影したゴウガンダ層の写真を確認していただだきました。

先住民になったイギリス人 グレイ・アウル Grey Owl(1888-1938)

コバルトは昔、湖と森林が多く豊かな緑に溢れていました。
銀が見つかると広大な森林は切り取られ、むき出しの大地となり多くの鉱山が開発されました。
コバルトに近いテマガミはリゾート地になり、
自然と共に暮らしていた先住民族オジブエ族も文明の影響を受けるようになりました。
1907年、英国からグレイ・アウル Grey Owl(1888-1938)がやって来ました。
グレイ・アウルはイギリスで幼少の頃から親しんでいましたが、カナダの自然に魅了されました。
オジブエ族と住み、自然と共に生きていく精神と生活の技術を学びました。
その後、森の中でビーバーと暮らし、作家となってカナダの素晴らしい自然と生き物の世界を人々に語ったり絵を描いて生活をしました。

イギリスで出版された彼の著書はベストセラーになり、各地で講演をして自然の素晴らしさと大切さを多くの人に伝えていきました。
そういった話を聞いたイギリス王室もバッキンガム宮殿に彼を呼んで講演を聞いたほどです。
グレイ・アウルの話は多くの人の心を打ち、1930年代のヨーロッパで有名な人物になりました。

ツアーや鉱物採集を終え、静かな鉱山跡で廃墟になった建物を見ていると美しい野鳥のさえずりが聞こえました。
コバルトの銀は数十億年という悠久の時を経て生まれましたが、地表の大自然も長い時間をかけて生まれました。

この場所も昔は森が豊かな場所だったが、銀の採掘で地形が変わるほど開発されたんだ・・・。
そう思ったひと時でした。


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